| ■ 平成19年度入試理科 |
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問題の作成に当たっては、中学校で学習する基礎的・基本的事項を正しく理解しているかどうか、さらに、それらが自然の事物・現象についての観察や実験などによって確実に把握されているかどうかをみることに配慮し、特に、次のような力をみることに留意しました。
○ 第1分野、第2分野それぞれの基礎的内容を正しく理解し考察する力
○ 自然の事物・現象について、基本的事項を理解し考察する力
○ 観察、実験の結果を基にして、自然界の規則性を見いだし応用する力
○ 総合的に考察し自分の考えをまとめ、判断し、表現する力
なお、第1分野と第2分野のバランスをとるとともに、各学年の学習内容がほぼ均等になるように配慮しました。また、体験的な学習を重視するため、実際の実験や観察の場面を想定した問題を多く取り上げ、それを科学的な視点でとらえ考察する問題を出題しました。結果をみると、全体の平均点は55.4点となり、昨年度より5.7点下がりました。分野別の正答率は、第1分野が51.8%、第2分野が59.0%となり、昨年度と比較して第1分野が6.8ポイント、第2分野が4.6ポイントそれぞれ下がりました。
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問題内容
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〔1〕第1分野上「電流とその利用」からの出題で、大問全体の正答率は40.5%でした。(1)は、電池は直列つなぎの方が、電球は並列つなぎの方が電球が明るく点灯することが理解されているかどうかを問う問題で、電池の直列つなぎ、並列つなぎについては小学校で学習する内容でした。正答率は40.5%で、想定正答率をかなり下回る結果となりました。(2)は、回路図を作成する問題で、正答率は78.4%でした。(3)は、オームの法則についての理解を問う問題で、正答率は@が41.0%、Aが29.0%と、近年のオームの法則に関する問題としてはかなり低い結果となりました。(4)は誘導電流の向きに関する問題で、棒磁石の動きが、コイルに近づきやがて遠ざかっていることに気がつくかどうかという点で、やや思考を要しますが、正答率は43.9%でした。オームの法則については、もう少し演習を取り入れる等の指導が望まれます。
〔2〕第2分野下「天気とその変化」からの出題で、大問全体の正答率は59.1%でした。(1)は、寒冷前線の通過後、気温が低下することを問う問題で、正答率は68.2%でした。(2)は、天気の記号の作図の問題でしたが、風力や風向の表し方に誤りが多くあり、正答率は46.3%と比較的低い結果となりました。(3)は、寒冷前線の構造を問う問題で、正答率は70.1%でした。(4)は、湿度計の読み取りと湿度表の理解をみる問題でしたが、正答率は82.0%とおおむね理解されていました。(5)は、湿度についての理解をみる基本問題でしたが、正答率は35.6%と低く、計算問題に対する苦手意識が強く出ていました。
〔3〕第1分野下「物質のなりたち」から、炭酸水素ナトリウムの分解の実験に関する出題で、大問全体の正答率は63.4%でした。(1)は、水上置換法を問う問題で、正答率はすべての小問中最も高い87.7%でした。(2)は、炭酸水素ナトリウムを分解して、生成した物質から元の炭酸水素ナトリウムの成分を推定する問題で、正答率は54.9%でした。(3)は、実験操作を問う問題で、正答率は63.9%と、記述問題としては比較的高く、おおむね理解されているようでした。ただ、何となく分かっているものの、それを十分に表現することができなかった解答が多かったようです。(4)は、この反応で生成した物質を問う問題で、正答率は47.0%でした。実験を行う際には、基礎的な操作を習得させるとともに、実験の目的を理解させた上で、見通しをもたせて行うような指導が必要です。
〔4〕第2分野下「自然と人間」から、微生物の働きを調べる実験についての出題で、大問全体の正答率は72.5%と、全設問中最も高くなりました。(1)は、対照実験の目的を問う問題で、正答率は69.6%でした。(2)は、実験結果を基にして考察し、それを自分の言葉で表現する力をみる問題で、正答率は54.3%でした。デンプンが分解されたというところまでは多くの受検生が書いていましたが、糖ができたところまで書かれていなかったものが多かったようです。(3)は、自然界の物質循環に関する知識理解を問う問題で、正答率は@が84.9%、Aが81.2%とかなり高い正答率になりました。
〔5〕第2分野上「生物の観察」から顕微鏡観察、第2分野下「生物の殖え方」から有性生殖についての出題で、大問全体の正答率は46.5%でした。(1)、(2)は顕微鏡の操作の仕方を問う問題で、正答率は(1)は48.6%、(2)は79.4でした。(3)は、有性生殖の仕組みを減数分裂と関連付けて捉えた問題で、@は受精についての知識を問う問題で、正答率は胚珠が59.5%、胚が35.3%でした。Aは減数分裂についての理解を問う問題で、正答率は10.2%と全小問中で最も低くなりました。主な誤答では、受精卵の模式図をかいたものがかなり多くありました。
〔6〕第1分野下「化学変化と物質の質量」「物質と化学反応の利用」からの出題で、大問全体の正答率は48.4%でした。(1)は銅の酸化を化学反応式で表す問題で、正答率は63.2%でした。従来の化学反応式の出題については完成問題の形式でしたが、中学校での指導もあり、比較的よくできていたといえます。(2)は、グラフから酸化銅に含まれる銅と酸素の質量比を求める問題で、正答率は79.4%とかなり高い結果となりました。(3)は、グラフを基にして、酸化銅を炭素で還元したときの反応物と生成物の質量を問う、思考・判断を要する問題でした。@は、酸化銅の質量の4/5が銅の質量だと気がつけば、生じる銅の質量は4.0×4/5=3.2gと求めることができます。正答率は33.6%でした。Aは、質量保存の法則が理解できていれば求めることができますが、正答率は26.1%とかなり低い結果となりました。化学変化における量的関係については、高校入学後、物質量の考え方を理解していく上で基礎となりますので、中学校ではじっくりと時間をかけ、演習を行うなどの指導が必要です。
〔7〕第2分野「火山と地震」からの出題で、大問全体の正答率は58.9%でした。(1)は、初期微動の継続時間の長さと震源からの距離の関係を問う問題で、正答率は72.5%でした。(2)は、地震波についての知識・理解を問う問題で、正答率は、@が74.3%、Aが67.4%でした。(3)は、初期微動の始まった時刻と初期微動の継続時間の長さから、地震の発生した時刻を推測する思考・判断を要する問題でした。A、C、Dの地点に注目すると、初期微動の始まった時刻の差が16秒で、初期微動の継続する時間の長さが2倍、3倍となっていることから、地震の発生した時刻はAの初期微動の始まった時刻の16秒前と分かります。正答率は4択問題でしたが21.2%と極めて低い結果となりました。
〔8〕第1分野下「運動とエネルギー」からの出題で、実験結果を基にして規則性を見出し、応用する力をみる問題で、大問全体の正答率は56.1%でした。(1)はグラフの作図でしたが、正答率は84.7%と高く、中学校での指導が行き届いていることが分かりました。(2)は、2つの表を対比させて、小球を放した高さを見出す問題で、正答率は49.3%でした。(3)は、与えられた結果から、質量が一定なら、木片の移動距離は小球の高さに比例し、高さが一定なら、小球の質量に比例するという規則性を見出し、この関係を用いて、実際には実施していない実験での結果を予測するもので、正答率は10.9%と極めて低い結果となりました。(4)は、力学的エネルギーについての理解を問う問題で、正答率は91.3%と全小問中最も高くなりました。
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平成19年度学力検査の概況はこちらからご覧下さい。⇒ 
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対策
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全体を通じて、基礎的・基本的な事項についてはおおむね定着されています。観察結果や実験データをもとに分析する問題では、グラフの作図や簡単な読み取りについては正答率は高くなっていますが、ある程度思考・判断を要するものについては差がはっきりとみられました。説明を要する問題については、無答はほとんどなく、全体的に正答率は高くなりましたが、分かっていてもうまく文章で表現できないといった解答や説明不足の解答が多くみられました。
これらのことから、基本概念の習得は当然必要なことですが、観察や実験の結果を分析、考察していく過程で、科学的な思考力や判断力を育てていく指導についても継続的に行っていくことが望まれます。また、レポートの作成などを通し、自分の考えを相手によく分かるように表現する力を育てていく指導も、今後更に必要と考えます。
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