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平成19年度入試国語
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問題の作成に当たっては、基本的な言語事項の定着、読解力、表現力を総合的にみることができるよう幅広い分野からの出題に配慮しました。昨年度に引き続き、漢字の読み書きや言葉のきまりに関する問題を出題して、基礎的な力の定着度をみることにしました。問題内容は、〔一〕で言語の基礎・基本に関する問題を出題し、〔二〕は古文のあらすじを現代語でまとめた文章と、それに続く古文との融合問題、〔三〕は随想文を素材とした問題という出題構成にしました。全体として、次のような力をみることに留意しました。
○ 漢字の読み書き、語句の意味や言葉のきまりなど、国語に関する基本的な力
○ 筆者のもののとらえ方や登場人物の心情を読み取る力
○ 目的に応じて文章から必要な情報を読み取り、自分の表現に役立てる力
○ 各段落から読み取ったことや文章全体の要旨を的確に表現する力
今年度は、現代文で設問を正確に理解し、その解答のために必要な情報を文章全体から取り出し、まとめる力をみる新傾向の問題を出題して、生徒の学習到達度を幅広い観点からみることができるように配慮しました。
全体の平均点は56.4点となり、昨年度を4.8点下回りました。これは、昨年に比べ、現代文の語句の意味に関する基礎的な問題、また古文の文章の展開や登場人物の心情を問う問題の正答率がやや低かったことによるものです。

問題内容

〔一〕基本的な言語事項とともに、俳句の季語に関する問題を出題しました。
(一) 漢字の読みの問題で、全体の正答率は77.5 %となり昨年度よりも11.8 ポイント低くなりました。最も正答率が高かったのは、「魅せられる」の91.0%で、最も低かったのは「穏和」の58.4 %でした。主な誤答例としては、「穏和」を「いんわ」、「装飾」を「そうしゅく」、「隻」を「そう」と読んだものなどがみられました。
(二) 漢字の書き取りの問題で、全体の正答率は88.2%となり、昨年度より14.1ポイント高くな
りました。最も正答率が高かったのは「種類」の92.5%で、最も低かったのは「暮(れて)」の84.6 %でした。目立った誤答例は特にありませんが、細かいところが丁寧に書かれていなかったり、楷書で書かれていない答案もありました。
(三) ある様子を表すのに最も適当な四字熟語を選ぶ問題です。正答率は73.1. %でした。主な誤答例として、「大」、「小」と「同」、「異」という文字に惑わされて選択肢アの「大同小異」を選んでいるものが見られました。文章を読むときには、知らない四字熟語に出会ったらその熟語の成り立ちを考え、意味を推理しながら読む習慣をつけることが大切です。
(四) 傍線部分と同じ意味で使われている「から」を含む文を選ぶ問題です。正答率は75.8%でした。
(五) 文章を読んで、そこに描かれている季節と同じ季節の情景をよんだ俳句を選ぶ問題を出題しました。正答率は66.1%でした。文章は春の海の様子が描かれているので、春の季語を含む選択肢を選びます。選択肢アは「鰯雲」(秋)、ウは「青田」(夏)、オは「初雪」(冬)がそれぞれ季語です。
〔二〕『今昔物語集』「敦忠中納言、南殿の桜を和歌に読む語」からの出題です。説話のあらすじを現代語でまとめた文章と、それに続く古文を問題文とし、古文の基礎的な知識と読解力をともにみる問題にしました。
(一) 歴史的仮名遣いを現代仮名遣いに直す問題で、古典の学習における基礎的な問いです。正答率は89.4%でした。
(二) 登場人物がなぜそのような心情になったのか、その理由を問う問題です。正答率は43.0%でした。Aの話について、場面の設定や展開を正確に捉え、それに即して太政大臣が喜んだ理由を文章中のことばを用いて書く力が求められます。
(三) 登場人物の心情を表した部分における言葉の意味を問う問題です。傍線部分の前後の文脈と選択肢を照らし合わせて考えることによって正解が導かれます。「〜を極める」という現代語から類推することもできます。正答率は44.0%でした。
(四) 古文で表現された部分の具体的な内容を、現代語であらすじをまとめたAの文章の表現を用いてまとめる問題です。傍線部分の直前にある「やんごとなき人」(高貴な人)が太政大臣であることを押さえ、その上で中納言がどういうことを「責めたまふ」と感じたのかを正確にまとめる必要があります。ただ単に抜き出すのではなく、問われていることは何であるのかを正確に把握し、解答することが大切です。正答率は低く25.9%でした。
(五)登場人物の心情を問う問題です。中納言がおかれた状況を想像してそれぞれの選択肢を吟味しながら解答することが大切です。正答率は30.2%でした。
(六)中納言が和歌に託した気持ちを読み取る問題です。「Aの文章を踏まえて」という条件を押さえて解答することが必要です。まず、Bの文章の話の展開に沿って、この和歌の意味を読み取ります。次に中納言はこの和歌によってどういうことを表現しようとしたのかを読み取り、Aの文章を踏まえて、設問に対する解答をまとめます。正答率はやや低く、25.6%でした。
〔三〕平野啓一郎「本の読み方スロー・リーディングの実践」からの出題です。文と文とをつなぐ言葉の働き、抽象的な概念を表す言葉の意味、表現されている内容の説明、文章の構造の把握、文章に表れている筆者のものの見方や考え方の理解など、様々な角度から問うことにより、総合的に国語の力をみる問題にしました。
(一) 適切な接続のことばを選ぶ問題です。正答率は、Aは87.5%、Bは80.0%でした。
(二) 傍線部分のある段落について、その要旨をまとめる問題です。文脈を正確に理解し、過不足なく表現することが大切です。正答率は28.3%でした。
(三) 傍線部分に表現された状態と対照的な状態を表すことばを本文から抜き出す問題です。正答率は48.1%でした。
(四) 筆者の「速読」のとらえ方を理解し、それと同じとらえ方で、「速読」を表現している別の部分を抜き出す問題です。正答率は、37.2%でした。
(五) 文章中で用いられている語句の具体的な意味について説明した文として最も適当なものを選ぶ問題です。正答率は高く、84.8%でした。
(六)空欄の中に適当な語句を入れ、文意が通るようにする問題です。空欄以前の文章から、筆者が「読書」をどのようにとらえているかを理解した上で選択肢を検討する必要があります。正答率は76.7%でした。
(七)筆者が「スロー・リーディング」にどのような価値を見いだし、それをどのように表現しているかを文章全体を踏まえ、まとめる問題です。文章の中では「読書」とはどういうものかという内容と、「スロー・リーディング」の価値が述べられているので、それを整理してまとめる必要があります。主な誤答としては、文章中の表現を前から順番にそのまま切り取り出しているものが多くみられました。文章全体の構成をふまえ、筆者が何を伝えようとしているのかを押さえることが大切です。正答率は26.0%でした。

平成19年度学力検査の概況はこちらからご覧下さい。⇒  

 

対策

全体として、基礎的、基本的な国語の力を問う問題では正答率は全般的に高くなりました。しかし読解力と表現力を必要とする問題にやや弱点がみられました。ただし、記述問題においては、昨年度と比較して、全般的に正答率が高くなっています。
国語の学習においては、日ごろから論理的な文章ををはじめ、多様な文章を読ませ、文章の構造を考えさせたり、要点をまとめさせることが大切です。表現力の伸長を図るには、国語辞典などを活用して語彙を豊かにすることや積極的に表現する姿勢を持たせ、分かりやすく表現する方法を学ばせることが必要です。常用漢字として学習しているはずの漢字が熟語になるとその意味が理解できないという弱点も見られました。日常においてもことばに対する関心を深め、読書活動の中で生きた言葉を習得できるように配慮することが求められます。

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