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平成19年度入試数学
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今年度の出題は、次のような力をみることに留意しました。
○数や文字を用いた式を計算する力と、問題文を読んで、方程式を用いて数学的に処理する力
○関数や確率に関する基本的事項を理解し、数学的に表現し考察する力
○平面図形や空間図形に関する基本的性質を理解し、見通しをもって論理的に考察し表現する力
○面積や体積など図形の計量に関して適切に処理する力
○身近にある事象を数理的に表現し考察する力
また、中学校における基本的事項の定着をみるための問題、各分野で思考力や計算力を要する総合的な問題を出題し、中学校における学習到達度を把握できるように配慮しました。問題を解決する過程を重視し、途中の思考過程を十分みることができるように設問を工夫するとともに、採点において、最終的に解答が間違っていても立式や計算の過程が正しく示されていれば、段階に応じて点数を与えるようにしました。全体の平均点は、昨年よりも0.4点下がって、45.2点となりました。

問題内容

〔1〕では、「数と式」の領域の基礎的な問題を、昨年と同様、8題出題しました。(1)(2)は小学校
の学習内容です。正答率は、それぞれ(1)が95.5%、(2)が90.3%、(3)が88.0%、(4)が86.7%、(5)が29.8%、(6)が87.8%、(7)が78.1%、(8)が78.9%でした。(5)では、文字式で表すことが難しく、他の問題に比べて低い正答率でした。
〔2〕では、「方程式」「確率」「関数」「図形」の各分野から基本的な問題をそれぞれ1問ずつ出題しました。(1)は、問題文を読んで適切に未知数を設定し、方程式を利用して解決する問題です。求める時間をx とおくと、容易に方程式を立てることができます。正答率は43.4%でした。(2)は、変化の割合を求めて、比例の式を求める問題です。正答率は37.9%でした。(3)は、1から3までの数と4から6までの数の組合せを書き出せば容易に解決することができます。正答率は53.0%でした。誤答例としては、b=3aの場合を含めた確率を求めているものが目立ちました。(4)は、三角形の内角に関する知識と円周角の定理を用いて、角の大きさを求める問題です。正答率は30.0%でした。
〔3〕では、2点の動きに対応した三角形の面積の変化を関数として捉える問題を出題しました。(1)は、三角形の面積を求める基本的な問題で、正答率は65.2%でした。3秒後の2点の位置を把握できれば面積を求めることができます。(2)は、関数の式を求める問題で、@Aの正答率は、ともにやや低く、それぞれ34.8%、30.6%でした。誤答例として、y の変域(0≦y≦16)を解答するものがみられました。(3)は、(2)で求めた関数のグラフをかく問題で、正答率は34.6%でした。曲線部分を直線の折れ線でかくなど放物線を曲線でかけないものが目立ちました。
〔4〕では、長方形の枠の中にタイルを規則に従って並べてできる図形について、タイルの個数などの変化について考察する問題を出題しました。この問題も、身近にある事象(タイルの敷き詰め)を数学的に考察し処理する問題といえます。(1)は、タイル並べて長方形の枠を作ったときのタイルの個数を求める問題です。頂点にあるタイルの数え方がポイントになります。正答率は、やや低く29.9%でした。(2)は、最後に並べるタイルの個数を求める問題です。内側に並べるタイルの個数が、縦横それぞれ2つずつ減少していることに気づけば容易に求めることができます。正答率はやや低く25.3%でした。(3)は、最初に横に並んでいるタイルの個数が偶数なので、最後に並べるタイルの横の個数が、2個または4個の場合があり、1個となる場合がないことが分かれば正解を求めることができます。正答率は低く6.8%でした。
〔5〕では、図形の証明問題と計量問題を出題しました。(1)は、2つの直線が平行であることを証明する問題です。仮定と結論をはっきりさせるなど、証明の方法を理解していれば容易に証明できます。正答率は、やや低く22.2%でした。(2)は、線分の比を求める問題で、条件のAF=EFであることと△BCA∽△BEFであることから、BF:FA=4:1であることが分かれば証明できます。正答率は低く5.7%でした。(3)は、△ABCと△AECが直角三角形であることと(2)で求めた線分の比から、線分EC、AEの長さを求めます。次に、△AEC∽△BEDよりBD:AC=BE:AEであることから、線分BDの長さを求めることができます。正答率は低く0.4%でした。
〔6〕では、立体図形の展開図における角の大きさや線分の長さ、立体の体積を求める図形の計量問題を出題しました。(1)は、円すいの側面の展開図であるおうぎ形の中心角の大きさを求める問題です。正答率は37.9%でした。(2)は、円すいの体積を求める問題です。三平方の定理を用いて円すいの高さを求めることができれば容易に求めることができます。誤答例としては、πのないものや高さの代わりに母線の長さを用いて体積を求めているものがありました。正答率は37.4%でした。(3)は、円すいの側面上の最短距離を求める問題です。円すいの展開図において、点BとQ、点QとPを結ぶ直線が、最短経路になります。角の大きさが30°、60°である直角三角形の辺の比が1:2:√3であることと三平方の定理を利用して線分の長さを求めます。正答率は低く0.6%でした。

平成19年度学力検査の概況はこちらからご覧下さい。⇒  

 

対策

今回の結果から、中学校の授業においては、次のことに留意していただきたいと思います。
第1に、基本的事項を定着・習熟できるように指導することが望まれます。基礎的事項の定着率は昨年に比べ向上していますが、基本的事項に関しては、できない生徒の割合が増加しています。また、基本的事項を習熟している生徒に対して、時には複雑な計算をする場面を設定することが望まれます。
第2に、文章や問題設定条件を数式で表現できるように指導することが望まれます。式が作れなければ、事象を数学的に処理することができません。
第3に、図形に関する操作的な活動に時間をかけることが望まれます。中学校で扱う図形を初等幾何的に考察することは、直観力と論理的に筋道を立てて考える力の育成など有用な学習活動が含まれていることから、時間をかけて指導し、考え抜く習慣をつけさせる必要があります。
第4に、定義や規則に従って数え上げたり、見通しをもって論理的に考察したりする「数学的な活動」を大切にすることが望まれます。このような活動を体験することで、中学生で学習する範囲でも、様々な問題の正解を求めることができます。

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